敷地の一画に米の小売直売店を構える須田商事の事務所は、本荘市の市街地にある。第一次集荷業者の看板も掲げるこの会社を女性の須田社長が切り盛りしている。
これまでの農業の現場を取り巻く環境といえば、既存の農業組織からの上意下達式の平板な情報伝達と、小規模農家を中心とした後継者難という現実で、地域農業に明るい希望を持てる要素は極めて少なかった。
また、積極的な農業経営を展開していきたいと思えば思うほど、既存の農業環境は不満だらけのものであったようだ。それで自分が立ち上がらないと駄目だという思いから自らの会社を起こした。
須田商事は、農産物の生産販売、米穀の集荷販売、米穀の小売販売、農作業の代行請負と、農業生産の入口と出口に関わる広範な事業を展開している。保守的な地域農業環境や既存の農業体制に依存せずに理想的な農業の将来像を模索したときに結局そこまで手を広げなければならなかったということなのだろう。
もちろん、単純に農産物の流通を手がけているだけではなく、「消費者の望む米作り」という研究開発の面にも事業上の重点が置かれている。現在は無農薬有機肥料の不耕起栽培に力を入れており、そのための健康な苗作りという課題も同時進行で進めてきた。弱い苗では低農薬や無農薬の農法に持ちこたえられないためという。
こうして生み出された米は『自然耕の米』というブランド名で、東京及び大阪の通販会社を通じて販売している。
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